divetakeda’s blog

自作ガレージの製作過程を遡りながら紹介します。 他にも番外編有り。

自作バイクガレージ 遡り日記 #34           死闘!現物合わせ。

 久しぶりの更新です。

気が付くとネタがあんまり残っていませんでした。

最終回が近いです。

既に乗機は大破、コア・ファイターで脱出するあたりです。

 

 屋根を支える松の梁が旧宅からの再利用であるところは、何度か説明の通りです。

設計するうえで厄介なのは、その梁が曲がっていることです。

ただ、かつて家の一部だったのですから、要所要所には互いに平行/垂直な平面が存在します。

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 各々がかつて使われていた角度を再現しています。

一番奥の梁を例に取りますと、

まず、左端の端面が垂直に立ち上がるよう、右側に角材等を積んで高さを合わせます。(青い矢印)

すると結果的に、白い矢印の平面が水平となります。

かつてこの水平面には屋根を支える柱(=束)が立っていました。。

 今回のガレージに対してもこの角度で取り付くべきですから、積んだ角材(青い矢印)の高さを記録して、設計にフィードバックすることになります。

 

下の写真は同様に、一番手前の梁の角度合わせをした状態です。

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青い矢印の示す平面は、最初から切られていた物で、ホゾ穴が開いています。

白い矢印は、昔の大工さんが梁に付けた目印です。「ろ」かな・・

 今回このホゾ穴は使いませんが、曲がった梁の上に平面を作るための技法が良く分かります。

この技法を真似して、上の梁を受け止める水平面を新たに切りました。(赤い矢印)

最終的にはここにもホゾ穴を切って上の梁と連結、ボルト固定することになります。(以前の#26参照)

  ここで申し上げたいのは、この梁が昭和23年建立の旧宅の物、と言うことです。

古い材料ですが、一皮削った中身は新材のようで、削ってしばらくは木の香りもしました。

 松に限りませんが、木材の耐久性には驚かされます。

自作バイクガレージ 遡り日記 #33           設変!材料加工。

 ご無沙汰をしております。

前回のネタがネタだけに、身柄を拘束されたのでは?

と言った心配の声もあったとか無かったとか。

 

引き続きプレカットからです。

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どの部分なのか分かり難いですが、以下も参照下さい。青いペンです。

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 和室なら「鴨居」にあたる部分です。

既にお気づきの皆様もいらっしゃるかと思いますが、1枚目の写真と施工時では縦の角材の長さが違っています。

 「作りながら設計する。」

一部同業の皆様には切なくて読めないかもしれませんが、以下がその顛末です。

 

・当初、鴨居の地上高は180cmで設計した。

 最近のメーターモジュールの住宅では2mとかが多いのですが、かつて在来工法では180cmが一般的だった。一間(六尺)とか呼ばれていた時代からのことです。

日本人男性の平均身長(※要出典)程度の私としては、問題無かろうと考えていました。

・途中で重大な事に気付きます。

そんな私でも、ブーツを履いてヘルメットを被ると180cmに届きそう。

★ヘルメットを鴨居にぶつける ⇒ ヘルメットの塗装が剥げる。

 ⇒ 朝から嫌な気分で林道へ。 ⇒ コケる。(※要出典)

 

 屋内の鴨居とは事情が違った、ということです。

結果、鴨居を12cmくらい上げ、上記の角材の長さも相応に切り詰めました。

 私には問題が無くなりましたが、長身の方はお越しの際にご注意をお願い致します。

自作バイクガレージ 遡り日記               番外編Vol.14  人民的偉大領袖

 中国暮らしではバイクに乗ることもできないので散歩ばかりしています。

 

その散歩コースに大学があります。

日本の多くの大学同様、キャンパスは一般に開放されてますので、絶対大学生には見えないオッサンでも自由に入ることができます。

 親子連れとかも居て、まあ市民の憩いの場でもあります。

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 もはや何の説明も要らないですね。

肖像だったり彫像だったりたくさん見ましたが、これはその中で最大です。

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 足元の碑文です。

名前、生没年、出身地。漢字だから大体分かると思います。湖南省の出身です。

その後には、

毛沢東同志は中国共産党と各民族人民の偉大な指導者、偉大なマルクス主義者、偉大な無産階級革命家、戦略家にして理論家、なんてことが書いてあります。

 

 そして彫像の高さは16mとあります。

スケールがでかいです。

ただ、周りも広々しているうえに、大き過ぎて実感の湧かない読者様も多いかと思います。

写真ですから尚更ですね。

 

 そんな時は身近な物や、よく知っている物と比較すれば実感が湧くものです。

以下。

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 毎度の雑な処理ですいませんが、偉大さがお分かり頂けたと思います。

今回も最後までご覧頂き、ありがとうございました。

自作バイクガレージ 遡り日記 #32           補足!材料加工。

 プレカットについて補足です。

#27で登場した土台のプレカット中の様子です。

シャッター側の短い土台にホゾ穴/ボルト穴を切って基礎パッキンをネジ留めしたところです。

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 前にも書いたのですが、桧の角材の角が落ちています。

4mで買うと、どうしてもこう言う部分が入って来ますが、別に問題は有りません。

なるべく目立たないように配置するなどの工夫はしてますが、それも気持ちの問題です。

 

 前回#31で登場した火打ち梁です。

固定用ボルトの座面を削り出した時の写真が出て来たので補足します。

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 斜めに削るのは大変面倒くさそうに見えます。

ただ、今となっては、どのように削ったのか詳細を思い出せません。

疲れて寝てしまった時に小人さんが削ってくれたのかもしれないです。

 

 

自作バイクガレージ 遡り日記 #31           忍耐!火打ち梁。

 テスト、テスト、ただ今VPN接続のテスト中。

パナマ、パナマ、パナマ文書、中国語だと巴拿馬文件。

アップされたようなので、大丈夫そうですね。

※以上はネタです。VPN接続の詳細は各自でご確認下さい。

 

今回は火打ち梁と呼ばれる、一種の補強材の説明です。

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長い角材2本が建屋の横梁です。

斜めの角材が今回の主役で「火打ち梁」と呼ばれるものです。

 軸組み工法(在来工法)では一般的に用いられる物ですが、近年は金属製の物も多いようです。

金属製は横梁に直接木ネジで取り付けるだけなので、加工・施工が簡単です。

非常に合理的ですが、今回の場合は見える部分でもありますし、ちょっと作ってみたかったので、柱と同じ材料で作りました。

 

補強の理論は色んなサイトにお任せして、実際の働きは施工状態を見るのが早いです。

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写真は完成後ですので、既に色々と貼り付けてありますが。

2本の横梁間に踏ん張って梁同士の直角を保ちますが、これが結果的に建屋全体の変形を抑える、と言う訳です。

 火打ち梁上の四角い穴の中に見えるのはM12のボルト&ナットです。

ボルトは横梁の外側から貫通しており、ナットで締結されます。

金属製に比べて面倒なのは、これらボルト&ナットの座面を削り出すことで、特に火打ち梁側は斜めに削り出すことになります。

ちなみに建屋の外側から見た場合ですが、こんな風にボルトが邪魔にならないようにしています。↓

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 皆様のおうちが在来工法の場合、今回説明の火打ち梁が人知れず天井裏で踏ん張っているかと思います。

ご家族の反対を押し切ってでも、一度は天井裏に入って労をねぎらって下さい。

また最近では、内装デザインの一部として、部屋の内部に露出している例もあるようです。

表に出て来ると急に好感度下げるのは私だけ?

 

今回もご覧頂きありがとうございました。

 

自作バイクガレージ 遡り日記               番外編Vol.13  人民的子曰~

 同じ山東省の曲阜市と言う街に出張しました。

新幹線で駅に降り立つと、

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孔子先生の立像がお出迎えです。

あちこちに書いてあるから予備知識無しでもすぐに分かるのですが、孔子生誕の地らしいです。

 武蔵坊弁慶が実在したとかしないとか、源頼朝の肖像は別の人だとか、歴史上言われてきたことが揺らいでる昨今。

まして紀元前の人のことなので、私は半信半疑です。

 

 先方の会社に到着して名刺交換です。

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画像修正で原形を留めておらず申し訳ありませんが、

三人中のお二人が孔さんです。

うーん、やっぱり本当なのかな。

 

 つつがなく業務を終了。帰り際にお土産を頂いてしまいました。

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 箱入りの論語の解説本が上下巻。

 

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孔子から数えて77代目のご子孫にあたられます、孔徳成先生の著作です。

序文によれば、孔子の母方の姓は顔氏と言うそうです。

先ほどの名刺、残りのお一人が顔さんと言います。

これはいよいよ本当っぽい。

 

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肝心の中身。

当たり前ですが、全部漢字です。

高校の漢文の授業で見たような文が書いてあります。

本棚に飾ったらインテリっぽく見えるかも。

でもMBAとかパリ大学とは方向性が違うかなー。

自作バイクガレージ 遡り日記 #30           始動!材料加工。

 くどいようですが、実家はガラス屋です。

材料のカットと加工編は、そのガラス屋の作業場からお送りします。

 

軸組み工法(在来工法)なので、柱や梁の接合は「ホゾ」を基本とします。

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 写真の通り、凸を凹に差し込む訳です。

写真の凸は横梁で、凸部の長さは30mmです。

これが柱の足元になると、60mmまでの長さにしてあります。

まあ、この辺は気分だけです。長ければエライってことでもないです。

凸はノコギリで切りますが、一つだけ注意点があります。

「必ず縦のノコギリを先に入れる。」 と言うことです。

 

縦のカットであれば、切り過ぎても問題が無いからです。

もしも横を先にして切り過ぎると、凸の首根っこにノコギリが入ってしまい、首が実質的に細くなって強度が低下します。

縦ならいくら切り過ぎてもこれが起こりません。

 図解が無いと分かりにくい話ですが、中学の技術の授業を思い出して下さい。

もっとも私たちの世代は、女子は家庭科、男子は技術科と分けられていましたので、当時女子の皆さんには、思い出す以前の話で申し訳ないです。

※私の地域の公立中学の話です。都会の学校とかは不明。

 現在ならちょっとした炎上ネタですが、昭和の終わり頃のことにて、当時はそれほど疑問にも感じていませんでした。

 弁当男子や日曜大工女子にとっても良い時代になったと思います。

 

 そんなことで、凸側はノコギリだけあれば良いのですが、問題は凹側です。

四角い穴を正確に開ける必要があります。

 ドリルとノミの組み合わせで地道に開ける手もありましたが、時間がかかり過ぎます。

これだと、ガレージが完成する頃にはバイクを降りている可能性もあります。

やっと空母の建造が終わったのに、戦局が守勢に回り艦載機は不要いという事態です。

そこで、

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角ノミ盤と言って、ドリルと四角い刃の働きで、四角い穴を開ける機械です。

中華民国(台湾)製です。

写真の角材は「試し斬り」用ですが、四角い穴をご覧頂けると思います。

 

 中学の時に技術室で使った記憶がありますが、それは高価で本格的な物だったと思います。

これはホームセンターで売っている安価な物です。

と言っても、¥49,800(刃は別売り)したので、かなりの決断でした。

ガレージ以後はほぼ出番が有りませんが、母屋の収納棚を無理して在来工法で作りました。