#11で垂木を掛けてから早10回、車両紹介もはさみつつ屋根工事だけで随分引っ張りました。
垂木を掛ける直前まで遡ります。
1枚目の写真:水色の矢印が指す部材を母屋(もや)、てっぺんの黄色の矢印を棟木(むねき)と言います。また、それらを支える支柱多数を束(つか)と呼び、写真中に1つだけ白い矢印を入れました。
以上が垂木を掛ける部材となる訳です。
ちなみに上記の棟木が上がった時に実施されるのが、建前とか上棟式とか呼ばれる行事です。
最近の新築工事では減っているようですが、私が子供の頃はもっと多かったと思います。
近所でお餅や小銭が撒かれるのをよく拾ったものです。
今思うと、皆どこで聞きつけてあんなに集まっていたのか? ケータイも無かったのに・・
寂しいですが、今回は断腸の思いで建前の挙行を見送りました。
建前よりも問題だったのが、棟木や母屋が極めて長いと言うことです。
建屋の長さが3,600mm、正面の庇が600mm、裏手の庇が300mm。
合計4,500mmとなる訳ですが、手に入る材料の長さが4,000mmでした。
そこで2本の材料を繋ぐことになります。
「追っ掛け大栓継ぎ」と言うらしいです。ネットで見つけてパクリましたが、昔から行われているようなので、パテント(特許)は切れてると思います。
互いの接合部は鏡面対称の形状です。写真のような位置関係で滑り込んで繋がります。
昔の大工さん達の知恵には敬服するばかりです。
最後は四角い小さな貫通穴に角材を打ち込んで完了です。
今回もご覧頂きありがとうございました。
次回以降も骨格について紹介致します。
★母屋、棟木、束の材料について
樹種 :杉
サイズ:75mm角 長さ4,000mm
ホームセンターで1本¥1,200くらいだったと記憶してます。
乾燥して無い材料で、購入後に縦割れや反りが発生しました。
ただ、カット後の保管が長かったお陰で、施工時にはキッチリ自然乾燥してました。